ナチュラルとは違う? 【クリーンビューティー】って一体何?

BEAUTY Reports | 美容レポート

【クリーンビューティー】という言葉を聞いたことはありますか?

クリーンビューティー第1回目のレポートは、年々欧米で大きなマーケットに成長しているクリーンビューティーの歴史や概念、考え方をお伝えしします。

【クリーンビューティー】の始まり

誕生のきっかけとなったのは1970年代、アメリカのコスメブランド〈CoverGirl〉 *1 の【クリーンメイクアップ】というキャンペーンでした。元々薬用化粧品として販売していたアイテムを、「お肌を綺麗にするコスメ」「ナチュラルメイクができるコスメ」を【クリーンメイク】と呼び、販売を始めた事がきっかけです。

多種多様なクリーンメイクアップアイテムが登場していく中で、2020年、【クリーンビューティー】という言葉がイギリスのスキンケアブランド「Ren」などによって使われ始めました。これまでの薬用やナチュラルとは違い、「有害な成分を取り除いた製品」という新しい意味を帯び、急速に市場を伸ばしています。

*1 アメリカの医師/薬剤師によって発明された薬用クリームなどを扱うスキンケアブランド〈NOXZEMA〉 が発売したメイクアップライン

CoverGirl 広告より

現在のクリーンビューティー市場

世界のクリーンビューティー市場は意識の高いミレニアル世代 *2 やZ世 *3 代を中心に毎年伸び続けています。Brandessence Market Research And Consultingによると2020年に5億4,396万米ドルと推定され、2027年には11億5,500万ドルに達し、2020年から2027年にかけて12.07%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予測されています。

*2 Millrnials(Y世代)…1981-1995生まれの2000年以降に成人を迎えた世代 *3 Gen Z…1996以降に生まれた世代

クリーンビューティーってナチュラルなの?

【クリーンビューティー】は体に有害な人工成分を含まずに作られていることを意味し、ナチュラルやオーガニックとは一線を画しています。

「ナチュラル」は曖昧な定義

「ナチュラル」「クリーン」「グリーン」「低刺激」などは表現が曖昧で決まった定義がないため、消費者に誤解を生むケースも多くあります。また、消費者を意識したマーケティング用語として使用され、環境に配慮しているフリをする企業や製品【グリーンウォッシュ】も多く存在します。

また、ナチュラルの反対語として挙げられるのがケミカルですが、この言葉が一人歩きし、悪者のように扱われている印象を受けます。

「ケミカル」は悪なのか?

化学物質(ケミカル)=体に悪い、天然成分(ナチュラル)=体に良い

というイメージが世間一般にはあるように思いますが、ケミカルには以下のような意味があります。

科学的には、元素や元素が結びついたものを、化学物質と呼びます。ですから、自然のものも、人間が作ったものも、全てが化学物質です。

独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター HPより引用

水や空気などを含め全ての成分がケミカル(化学物質)です。そのため、本当の意味でのケミカルフリーという言葉は存在しません。

“ケミカルフリーなどという言葉は、自然由来か合成かにかかわらず、すべての成分が化学物質であるため、愚かなものです。”

“VOUGE UK “Clean Beauty: Everything You Need To Know” より引用

ただ、中には発ガン性がある、内分泌かく乱作用がある、アレルギー反応を起こしやすい、などといった化学物質もあります。そういった体に害のある成分を排除した製品がクリーンビューティーです。

クリーンビューティーに共通する項目

クリーンビューティーの明確な定義がないとはいえ、いくつかの共通点があると考えています。以下はその一例です。

1. ホルモン攪乱物質や発がん性物質、アレルギー誘発物質が含まれていない
2. パッケージや表示や企業体制において透明性が高い(虚偽の情報が記載されていない)こと
3. サスティナブルな成分や容器を使用し、製造や運搬の工程においても環境保護に取り組んでいる
4. クルエルティーフリー(動物実験不使用)やヴィーガンコスメ(卵や乳製品、ハチミツなども成分として含んでいない化粧品)など動物や環境に配慮した製品である

また、クリーンビューティーを考えていく中で感じてることは、もっと大きな概念があるのではないか、という事です。例えばクリーンビューティーのパイオニア的存在であるベアミネラルは成分にこだわるだけではなく、社会貢献として売り上げの一部を環境保護団体や女性美活躍を応援する団体にドネーションしていたり、容器の回収をしサスティナブルな活動に取り組んでいます。

このように、単なる外見だけの美容を超え、「美容×健康×環境」の全てに配慮した概念。それがクリーンビューティーだと考えています。

クリーンビューティージャパンが定義するクリーンビューティーとは?

日本におけるクリーンビューティー

日本でも徐々に認知度が高まっているように思いますが、まだまだ一般的に知られている言葉ではありません。その理由として、以下のような要因が考えられます。

  • 法律である程度の製品の安全性が確保できているため個人の問題意識が低い
  • 基本的に原料ベースでクルエルティーフリー(動物実験不使用)になっていたり、サスティナブルを考えた製品も多い為あえてクリーンを宣言していない企業が多い
  • 個人の環境に対する意識が世界と比較して低い
  • メディアリテラシーの低さとWeb情報発信源の情報量が少ない

今後このような課題と向き合いながら、”クリーンビューティー”が単なるブームではなく、製品選びの基準の1つとして定着していくことが私たちの願いです。

消費者としてできること

製品を選ぶ中で、必ずしもクリーンビューティーである必要はないと思っています。ただ、成分を意識すること、また購入の目的と製品が合っているかどうかに注目することは大切です。

米国の美容ブランドKari Granが2016年に実施した「グリーンビューティーバロメーター」と題した調査によると、米国の女性の55%とミレニアル世代の62%が、特定の成分を避けるために美容製品の成分表示を読んでいることがわかりました。日本ではどうでしょうか?化粧品成分に興味を持ち、成分表示を見て購入している消費者はほんの一握りのように感じます。

手にする商品を選ぶのは自分自身です。実際に企業も成分に関しての考え方は様々。例えばある企業はアロマオイルを良しとし、ある企業は刺激のない人工香料を良しとする。ゴールは同じであっても道のりが違うだけ。

「肝心なことは、どのような種類の成分を避けたいのか、自分自身を教育し、十分な情報に基づいて購入を決定することです」

VOUGE UK “Clean Beauty: Everything You Need To Know” より引用

一見難しく思える成分ですが、表示に少し目を向けることで様々な気づきがあるはずです。注目するうちに、お肌から何を摂取しているのかを知ることがとても大切で楽しいと感じ始めるかもしれません。

今後の取り組みについて

美容を科学(化学)的に理解することが私たちの製品選びの際にとても大切だと考えています。そのため、クリーンビューティーレポートでは、Beauty Science(ビューティーサイエンス)と題し、様々な情報を発信していく予定ですので、ぜひご活用ください。

同時に、メーカーの想いや様々な企業のクリーンビューティーに対する取り組みも具体的に紹介していきます。私たち消費者の【製品を購入する】という行為は、企業への応援であり、投票です。「中の声」を知ることで、今後の皆様の商品選びに役立てていただければ幸いです。

クリーンビューティーを通して、健康や環境、そして社会活動に興味を持つきっかけになることを願っています。

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