The base of Donation #01 キープ・ママ・スマイリング

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 子育て経験がある方は、土日祝日や夜中に急な高熱や腹痛・嘔吐で病院に駆け込んだことがあるのではないでしょうか。重い病気かもしれない、兄弟(姉妹)はどうしよう、明日の予定は…。冷静に考えながらも先の見えない不安を感じていたかと思います。そしてもし、子どもが長期入院することになってしまったら。入院する子どもに付き添う家族を力強くサポートし応援する団体が「キープ・ママ・スマイリング」です。

数字でみる「子どもの入院と親の負担」

年齢階級別にみた施設の種類別推計患者数における入院総数                        0歳:11.2(千人) 1~4歳:6.7(千人) 5~9歳:4.5(千人) 10~14歳:5.1(千人) 

年齢階級別にみた退院患者の平均在院日数の年次推移                           0~14歳の平均在院日数は10日から14日前後で、その傾向は1984年~2017年までほぼ横ばいで推移している。

※厚生労働省「患者調査概況(2017年)」

子供の入院に付き添う親の負担の内容とその割合                             「療養環境への不満:32%」が最も大きく、その内容は、親の食事や子どもから目を離せない、生活スペースが狭くプライバシーがない等である。次は「親の身体的苦痛:17%」で、睡眠への影響や栄養バランスのとれた食事ができないこと、また時間が確保できない、体調不良などである。その次は、「他の家族員の心配:13%」で、家事ができないことがつらい、家族への負担が心配などであるい。以降は、「看護職者への不満:9%」「親の精神的苦痛:7%」となっている。

※千里金襴大学「子どもの入院に付き添う親の負担の現状と家族支援の方向性(2017年)」医中誌webデータベースのすべての文献から「子どもの入院に付き添う親の負担」について述べられた文脈を抽出して記録単位化した。

キープ・ママ・スマイリングの概要

名 称:特定非営利活動法人 キープ・ママ・スマイリング
所在地:東京都中央区銀座
設 立:2014年11月設立
理事長:光原ゆき
正会員:25名
サポーター会員:約100名
ボランティアスタッフ:延べ250名以上
支援企業:33社           ※2020年4月現在

ホームページURL:https://momsmile.jp/

私たちがキープ・ママ・スマイリングを通じて出来る支援

3000円で1家族に贈る「付き添い生活応援パック」
2週間以上入院するお子さんに付き添うご家族へ、保存可能で温めて食べられるレトルト食品をはじめ、泊りの看病に欠かせない衛生用品、化粧水、ハンドクリーム、衣類など詰め合わせた応援パックを贈ることができます。
子どもの快復をともに願い、“あなたは一人じゃない”と応援する思いは、付き添うご家族の強い支えになります。

石井食品とコラボしたチャリティ商品 「potayu chef(ぽたーゆ・シェフ)」         

1パック 500円
売上の一部が法人の活動資金として寄付されます。味はコーン、トマト、パンプキンの三種類。無添加調理で国産玄米使用の体に嬉しいお粥です。常温で長期保存ができるのでストックすることも出来ます。お子さまにもお勧めです。    

■キープ・ママ・スマイリング☆チャリティーショップURL:https://momsmile.theshop.jp/

リクルートからNPO法人の代表に。光原ゆきさんに”目指す未来”を聞きました。

〈聞き手=CBJ 井ノ瀬里佳、上月茶奈〉

病気で入院しているお子さんや発達がゆっくりなお子さんを育てるご家族を支援するために様々な活動をされています。光原さんが、いま一番力を入れている活動を教えてください。

 昨年秋から、緊急コロナ禍支援として、2週間以上入院が継続する子どもに付き添うご家族へ「付き添い生活応援パック」を無償で配布する活動をしています。これまでに1000以上のご家族に届けてきました。
 付き添い家族に緊急アンケート調査をしたところ、新型コロナウイルス感染症の院内感染を防止するために小児病棟への面会・外出・付き添い者交代に制限がかかっていて日常の買い物にも不便されていることがわかったからです。入院付き添いに必要な生活用品を私の付き添い経験なども生かしながら集め、「応援しているよ」という思いを込めてめいっぱい詰め込みました。衛生用品や衣類、ご家族の健康に気遣った食品など、応援パックの内容は多岐にわたります。
 それを支えているのが、最近結成した“おねだりチーム”。団体にご協力いただいている方々の人脈をもとに、「付き添うお母さんたちを応援する物をください」とお願いをして、多くの企業様からの寄付をいただいています。
 私たち団体の特徴は、アウトリーチ(積極的に支援を必要としている人、場所に出向き働きかけること)。これからさらに支援の手を伸ばしていきたいと考えています。

企業様からの応援は、付き添いをされるご家族の支えになりますね。

 実際にご支援をいただいた企業の経営者やご担当の方から、お母さんたちへの応援メッセージをいただき、品物とともにメッセージをお届けしています。お母さんたちから「自分のことをいろんな方が応援してくれて、何とか心を支えてもらえました」という言葉をいただいたときは本当に嬉しかったです。「付き添い生活応援パック」を届けることで、多くの人があなたのことを応援しているんだよ、と伝えることができたのかなと思っています。

キープ・ママ・スマイリングが取り組む社会的課題「入院付き添い」

入院の付き添いをされているご家族は、どのような状況にいらっしゃるのでしょうか。入院となった時、まずは子どもの病状、そして家族のこと、仕事や家のことをどうすればよいのかなど、入院の期間とは関係なく、絶望感に陥るように思います。

 私が娘の付き添いをしていた10年ほど前から状況は変わっていません。新型コロナウイルス感染症の感染拡大で状況はより悪くなっています。病院で子どもと一緒に泊まり込んで暮らす日々はとても過酷です。特に小さなお子さんは母親が見えなくなるだけで不安になります。そうした不安感は病状にも影響を与えかねません。さらに検査が続くと母親はベッドから離れることも難しくなり、食事の時間すら取ることが出来ないこともあります。付き添いは母親が担うことが多いかと思いますが、そうしたお母さんたちの日々は精神的負担がとても大きいです。
 こうした医療の隙間に落ちる課題をまずは関係者の皆様に「社会的課題」として認知していただき、社会にも広く知ってもらうことが重要だと思っています。

笑顔でお子さんと過ごすことが出来るように、「あなたは一人じゃない、みんなが応援している」ことを伝えたい

これからの一年、そして近い未来にどのようなことを実現したいですか?

 この付き添いの課題はニッチ(見逃されやすい事業領域)。だけれど誰にでも起こりうること。だからこそ必要とされている活動だと思っています。
 今年はじめての取り組みとして『入院付き添い中のお母さん・お父さんを応援する「Smilimg Moms Days〜毎日がハハッの日〜キャンペーン月間』を展開しています。もっと皆様や企業様に私たちの活動を知っていただく機会をつくり、支援の輪を広げていきたいからです。
 また、それぞれの実情にあった地域ごとの支援策も提案していきたいと思っています。例えば、私たちは2019年11月から佐賀大学医学部付属病院小児病棟で付き添うお母さんたちに野菜で作ったオリジナル缶詰や地元のパン屋さんから提供していただいたお菓子などの差し入れを行ってきました。この活動をコロナ禍においても続けたことで病院の運営者の方たちにも付き添い者への食支援の重要性を理解していただき、病院独自でLINEを活用したお弁当注文サービスを始められました。私たちが働きかけることによって隙間に落ちた問題に気づいていただき、付き添い者の環境を変えることが出来た。私たちが理想とする変化のあり方で、本当に嬉しい事例です。

団体を運営していくなかで不安や迷いはありませんか?

 この取材の2日前が次女の命日でした。7年前も今日と同じような気候で、真っ青な空の下、満開のつつじを見ると娘を連れて歩いた日々を思い出します。あの子が生まれてきてくれた意味を形にすることが私の残りの人生の使命だと心底思います。その思いがあるから今もこうやって毎日活動できているのです。お母さんやご家族が喜んでくれて笑顔になってもらえることが私の喜び。だから団体を立ち上げた当初から迷いはありません。
 病院で日々過ごすお母さんたちは孤独。母親なんだから弱音を吐くな、という重圧がある中、愚痴もこぼせず、心身ともに大変でつらい日々を送っています。だからこそ、笑顔でお子さんと過ごすことが出来るように、「あなたは一人じゃない、みんなが応援している」ということを伝えたい。
 これからも、付き添い者の生活環境をよくすることに制度改革も含めて力を尽くしていきたいと思っています。

キープ・ママ・スマイリングが理想とする社会はどのようなものですか?

 入院付き添いに様々な選択肢あって、どのような方法を選んでも安心してお子さんの病気と向き合うことが出来る環境が整うこと。これが目指したい理想です。やるべきことはたくさんあります。そのためにも、私たちの団体の組織づくりもしっかり行っていかなければなりません。
 最終目標は、私たちの活動によって、この問題に気づいていただき、関わる人たちの意識が変わり、病院の医療体制に合わせた地域ごとの支援が生まれ、私たちの団体が必要なくなること。
 でも、まだまだ道のりは遠いと感じています。応援、ご支援をよろしくお願いします。

【編集後記】
 初めて、しかもオンラインでお会いしましたが、あっという間に光原さんの人柄に魅了されました。始終、笑いの絶えない楽しい取材でした。誠実にそしてすべてを賭けて活動される姿に感動しました。理想を現実に変えることが出来る方なのだと信じています。

これを見ればキープ・ママ・スマイリングの活動がよく分かる!

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